四季桜と和紙工芸の里

小原郷土館前で。小原観光協会もここにあり、情報提供してくれる。(❶)


 春のミツマタ、初夏のササユリ、秋には紅葉に映えるシキザクラなど、四季折々の草花や鳥のさえずりが迎えてくれる。豊田市小原地区(旧小原村)は、四季桜と和紙工芸の里としても知られる。
 小原の四季桜は文政年間の初めに、藤本玄碩という医師が名古屋方面から苗を求めて植えたのが親木となって広まったという。小原地区の四季桜は春と、10月から12月に花を咲かせる。地区のいたるところに分布し、約1万本を数える。特に樹齢100年を越える前洞の四季桜は県の天然記念物に指定されている。
 小原といえば、和紙のふるさとでもある。今も20人の作家が工房を持っている。四季桜の季節を前に、緑の風が心地よい山里、小原を訪れてみた。




郷土館内には農機具、生活用品や木臼、樽から養蚕用足踏機、薪炭を運んだときの牛の鞍などの珍しい道具がぎっしり展示され、興味深い。

泥打観音(どろぶちかんのん)。田んぼに泥だらけで埋まっていた観音様。泥をぶつけると願い事がかなうと言われている。(❷)




市場城址。室町時代末から安土桃山時代にかけて、鱸氏4代の居城だった。(❸)

和紙展示館の館内で。小原和紙工芸創始者の藤井達吉の作品展示や企画展も開催。全国から集めた和紙の魅力が楽しめる。(月曜休館)(❹)




繊維をしぼって、からませる“ともしぼり”の作業を見学(工芸館で)。

和紙工芸館では、葉すき・字すき・うちわ・絵すきなどの体験ができる。(有料)(❺)




和紙とお食事の店「紙の花」の庭でひと休み。店内には小原の特産品や季節の山菜も。(❻)

「和紙のふるさと」にある小原窯(陶芸)と小原庵(日本料理)の入口で。(❼)




川見薬師寺本堂前で。ここへは、まず88の石段を登る。次に33段(女性の厄除け)、最後に42段(男性の厄除け)を登ると山門がある。よく見ると山門には十二支の像がある。(❾)


杉田久女句碑。杉田久女は高浜虚子に師事し、大正末期から昭和初期にかけて活躍した女流俳人。夫である杉田宇内の屋敷跡に建立され、「濯沐の浄法 身を拝しける」の代表句が刻まれている。(❽)

樟茶屋に立ち寄る。小原のおみやげ、季節の野菜、ひょうたん五平餅もあり、休憩もできる。(❿)

樟茶屋から約4km。国道から山道へ入る。清流と涼風、鮮やかな緑の木々に囲まれて建つ茅葺屋敷の大福魚苑。まるで癒しの別天地を見つけた感じ。ここでは清流で育てたマスを自分で釣り、焼いて食べさせてくれる。(⓫) すぐ近くに、小次郎小原和紙工房もあり、体験もできる。(予約制)


取材場所
豊田市 小原地区 Google Map
参考サイト
豊田市観光協会
http://www.citytoyota-kankou-jp.org/