吉良ワイキキビーチで。ハワイ気分で白い砂浜と潮風を楽しむ。豊かなる三河湾の眺望は全国に誇るもの。吉良観光協会会長の山本裕充さんが案内してくれた。「吉良には歴史と海、宿泊のできる温泉がある。目的を持ってきていただける着地型観光地として発信していきたいですね」


吉良町には吉良公、尾﨑士郎、吉良の仁吉の三大人物をはじめ、歴史、文化財、美しい里山、海に温泉と、語りつくせない魅力があふれている。じっくり味わって歩いてみよう。


路線図


子社から北へ、参道を登ると幡頭神社が建つ。大宝2年(702)の創建と伝えられる式内社で、祭神は建稲種である。建稲種は日本武の東征に従ったが駿河沖で遭難、遺骸が宮崎海岸に漂着し当地に葬られたと伝えられる。本殿は国指定重要文化財、両脇社は県指定に。吉良吉田駅から4.4km。



吉良吉田駅前で。自転車で宮崎海岸を回るのもいい。駅前の喫茶峰でレンタサイクルを受付けている。


吉良吉田駅を降りる。国道へ出ると、おいしい料理店も多く、和菓子店、海苔店などが並び、賑やかだ。


吉良吉田駅から0.7km。真正寺を訪れる。吉良義央公富子夫人の難病が全快したことから、祈った天女像を合祀した。境内に吉良公と富子夫人の供養塔がある。


正法寺古墳は、墳長約94mの西三河最大の前方後円墳。古墳周辺は公園として整備されており、保存状態の良好な墳丘を観察することができる。吉良吉田駅から約2km。


華蔵寺に隣接して花岳寺がある。吉良家の先祖、東条吉良氏の菩提寺。本堂は貞享元年(1684)、吉良義央公が姉の光珠院の菩提を弔うための祠堂金を元に建築されたとされる。禅宗の方丈形式を伝える建築として貴重なもので、国登録文化財に指定されている。


足湯につかって、三河湾を望む。渥美半島から神島、鳥羽も見える。(吉良観光ホテルの足湯で)




上横須賀駅で。


上横須賀駅前にある煙草屋「和み」には外にイスを設けた喫煙所がある。店内にはタバコはもちろん、各種ライター約300種がずらりと。ソフトクリームやマイクの形のユニークなライターも。これだけタバコに徹した店は珍しい。現店主・森隆弘さんの曽祖父から続いている。喫茶カウンターも。レンタサイクルを受付けている。




吉良家菩提寺の華蔵寺。吉良上野介義央公はじめ吉良家歴代の墓所がある。境内には吉良公寄進の経蔵や梵鐘がある。上横須賀駅から北へ1.8 km。レンタサイクルを利用してもいい。

金蓮寺の弥陀堂は、源頼朝の命により初代三河国守護安達藤九郎盛長が建立し、三河七御堂の一つという。県内最古の木造建造物で、昭和30年国宝に指定された。深い軒と緩やかな屋根の曲線が見る位置によって異なる表情を見せる。境内にお不動さんの名水がある。吉良吉田駅から2.7 km。



「人生劇場」で知られる作家、尾﨑士郎は横須賀の出身。上横須賀駅に近い福泉寺には文学碑と墓がある。福泉寺へ向う町並みには呉服店や提灯店などがあり、趣きがある。

旧糟谷邸も訪れてみたい。この地域の大地主として、財をなした豪農豪商である。主屋、長屋門、土蔵2棟、屋敷神が県指定文化財に。富裕階層の生活ぶりが見学できる。吉良吉田駅から約2km。


尾﨑士郎記念館。隣接して東京より移築した書斎もある。旧糟谷邸と共通で、入館料300円。月曜休館。


福泉寺。



宮崎の先端に蛭子社があり、すぐ近くには、藤原朝臣宇合(藤原鎌足の子孫)の歌碑がある。「暁の夢に見えつつ梶島の石越す波のしきてし思ほゆ」

今年で5回目になる吉良ワイキキビーチのハワイアンフェスティバルは8月23日から5日間開催。全国から集まったフラダンスグループ900人ほどが、白浜のステージで踊り、観客と共に盛り上がった。




喫茶グレイスの角を曲がると正面に源徳寺がある。横須賀で生まれ、清水次郎長の下で過した吉良の仁吉。義理人情の男は28歳の若さで花火のように散った。源徳寺には次郎長が建立した仁吉の墓がある。


取材場所
西尾市吉良町 Google Map