今 お寺がおもしろい! 碧南市で こんなお寺見つけました


近年お寺の魅力を活かした取り組みが注目されている。
お寺本来に備わった歴史や役割、学びを地域の人たちのニーズに
マッチさせた新しいお寺のカタチだと言えるだろう。今回のテーマはリラックス。
心も体もゆるやかになるような碧南市のお寺を3か所巡る。



リラックスできるお寺① 稱名寺


徳川家康公の幼名である「竹千代」が命名されたお寺である。天文12年(1543)、松平広忠公(家康の父)が夢で見た歌を奉謝する連歌の会(夢想之連歌)をここ稱名寺で開いた。その時に広忠公が「めくりはひろき園のちよ竹」と詠み、それを聞いた当時の住職(一天和尚)が「竹千代はどうでしょう」と幼名を提案、松平広忠公が「それはいい」と言い、命名に至ったと伝えられている。

三河松平家(徳川家)と関わりが深いお寺

稱名寺境内には松平親氏公が奉納した天神像がある渡宋天満宮や家康公が神として崇めている三州大浜東照宮の他、徳川家祖廟(家康の先祖たちの墓)などもある。稱名寺は三河松平家(徳川家)と関わりが深いお寺だと言えるだろう。





感謝の心で精進料理を


稱名寺ではご祈祷祈願(3,000円)をすると、精進料理のご接待が受けられる。精進料理には「三心」という3つの作る心構えがある。まずおもてなしをする喜びの心「喜心」。そして相手の立場を想って親切に丁寧に作る老婆親切の心「老心」。最後の心は深い愛情を持って料理を作る心「大心」。庭園を眺めながら美しい精進料理を感謝の心で「いただきます」。



リラックスできるお寺② 林泉寺




林泉寺は徳川家康公の縁で幕府より朱印寺(将軍が出した朱印状によって、寺領の年貢が免除された寺院や神社のこと)として34石3斗賜り、菊間藩の武士からも帰依を受けた。明治大正期の世界的にも人気の高い儒者・文人画家の富岡鉄斎が滞在時に書院を画室に使ったお寺としても知られている。ここには大浜騒動で犠牲となった大浜陣屋の若き役人藤岡薫のお墓もある。


土・日曜日の早起きは三文の徳

座禅堂で毎週土・日曜日の朝6時から行われる一般人向けの座禅会。初めて参加される方は15分前に事前に作法を教わる。座禅、作務(清掃)、茶話会という流れでおおよそ1時間半ほど身体と呼吸と心を整えていく。ご住職のお話を楽しみに参加される方も多い。

林泉寺カフェでほっと一息

本堂のすぐ横にご住職の奥様が営むカフェがある。午後9時~12時までホットコーヒーや抹茶、黒豆茶に+50円でトーストなどがいただける。窓から見える美しい庭園とコーヒーの香り、ついつい長居してしまいそうなやさしい空間だ。





リラックスできるお寺③ 東正寺


東正寺は1186(文治2)年創建で、今から350年も前に建てられたお寺。本堂の外にそびえ立つ一本松も同じ年齢である。今まで災害が起きても耐えてきた強いお寺で「災害時の駆け込み寺」として新聞でも紹介された。ガスが止まっても大丈夫、まきをくべて「くど(かまど)」や「はそり(大鍋)」が今も大切に使われている。小さなお子さまを連れて来ると遊具があったり大人たちが面倒を見てくれたり、昔ながらの「お互いさま」という雰囲気に心が軽くなる。




心落ち着くヨガタイム


しんとした静けさの中、ご住職によるお勤めで心が落ち着いてゆく。お勤めが終わると心地よい音楽と共にヨガが始まる。身体を少しずつ少しずつ気持ちよくほぐしていく。仰向けになるとリラックスと共に眠気がやってくる。ヨガの後のお茶会も楽しみのひとつ。人と人とのやさしい繋がりが「明日も頑張ろう」と元気をくれる。




ゆるやかにお寺ヨガ


月1回第3土曜日、杉浦真里先生によるヨガが行われている。午後2時から約1時間。旦那さまは小さな頃からお寺にご縁があり、今はお子さまと一緒に真里先生をサポートなさっている。「お寺で夫婦から始める街づくり」をコンセプトにヨガを始め今年で6年目になる。電話かメールで事前予約が必要で、参加費用は500円。



取材場所
碧南市 Google Map