ぶら~り 道草一日旅

夢織人の前で。


二つの半島に抱かれた、暖かい蒲郡の海だ。─と川端康成も常磐館を背景にした作品「驢馬に乗る妻」で書いている。穏やかな海と温泉のまちである。年間700万人の人たちが訪れるという蒲郡市は見どころ、味どころもいっぱい。目的を決めて回ってみよう。




蒲郡の特産品


 みかん、ハウスみかん、みかんワイン・ジュース、いちご、えびせんべい、ベッコウ姿焼き、いかの姿焼き。メヒカリ(県下漁獲高の90%)、ニギス(同95%)はじめ豊富な海の幸、享保10年創業の竹本油脂の「ごま油」。
・伊勢エビよりも“うまい”といわれる蒲郡産天然アカザエビ(養殖できない)は蒲郡の宿17軒で、またラグーナ蒲郡内の、おさかな市場でも食べられる。

蒲郡のお祭り(春)

◎ゆきやなぎ祭り[3月下旬~4月上旬]
 あじさいの里
◎つつじ祭り[4月下旬~5月上旬]
 蒲郡プリンスホテル庭園
◎形原あじさいまつり[6月1日~30日]
 あじさいの里
◎ひなまつりロード[2月下旬~4月上旬]
 形原商店街、雛人形を飾り、女将大福も販売、稚児姫道中も。

蒲郡市観光協会 ☎0533-68-2526



蒲郡駅(南口)前には、日本が初めてアメリカズカップに挑戦するために製造したヨットが常設されている。


蒲郡駅すぐ南の角にある「涼みが杜石碑」。蒲郡開発の祖、藤原俊成がここで海を望み、涼んだと伝わる。


蒲郡駅(南口)にある市観光協会の案内所を訪ねる。パンフレットを手にまちへ。レンタサイクルもある。



菊池寛、谷崎潤一郎、川端康成ら多くの文人に愛された料亭旅館・常磐館(明治43年築)は昭和57年に取り壊されたが、その歴史を伝えるのが海辺の文学記念館。竹島を望む当時の部屋(左の白黒写真)が見事に再現してあり、びっくり、感動。


文学記念館内には、珍しい干支の彫刻(上の方)や、かつて100帖間にあったシャンデリアも飾られている。


マリンセンターハウスにある夢織人(ゆめおりびと)。蒲郡は昔から三河繊維産地の中心地。三河木綿を使った小物や反物を販売している。ハウス内にはレストラン・オンディーナもある。


蒲郡駅北の商店街にある新月本店で、蒲郡みかんを使った最中を求める。お茶を出していただいて、早速食べてみる。つぶつぶ感のある餡がフルーティ。


マリンセンターハウスにある夢織人(ゆめおりびと)。蒲郡は昔から三河繊維産地の中心地。三河木綿を使った小物や反物を販売している。ハウス内にはレストラン・オンディーナもある。


巨大な化石にびっくり。生命の海科学館も訪れてみたい。ナンタン隕石、21億年前の真核生物・グリパニアの化石はじめ、各種を展示している。


蒲郡プリンスホテル。昭和9年に建設された当時の姿を残す。2階の喫茶室から眺める三河湾は美しい。



三河鹿島駅。ここから形原温泉へは約1.5km。


東海一を誇る形原温泉あじさいの里。


形原駅に着く。


形原の商店街にある栄軒。蒲郡みかんを使った「ふわふわみかんムース大福」は冷凍を解凍しながら、ひんやり、ふんわりと2つの味を楽しむ。商店街の10人の女将(形原レディースサークル)の似顔絵付きの「開うん女将大福」(写真右)はイベントなどのお土産に好評。


形原魚市場の南にある味のヤマスイ。ここでも新鮮な魚や水産物が並び、訪れる人は多い。


明治31年創業の名物屋本舗。訪れたとき丁度、形原漁港水揚げのイカ、タコ、エビなどを加工して、裏返しながら天日干していた。2、3日干したあと、鉄板で姿焼きにする。昔ながらの手作業に感心する。


西浦半島の先端、空から見た西浦温泉。


西浦駅。隣に休憩もできる売店がある。


厄除け、ガン封じの寺として知られる無量寺。平安時代からの古刹。西浦駅から徒歩5分位。


稲生港の石積み堤防。大正9年築造当時の状態を保つ。伊勢湾台風にも耐えて残っている。これだけの規模の石積みは県下唯一。後方の突き出た緑の丘陵地に形原城跡がある。近くにある松寿しは、新鮮でおいしいと評判。


万葉の小径。高市連黒人の詠んだ「安礼の歌碑」はじめ、7つの万葉歌碑があり、万葉の花が咲き誇る。


取材場所
蒲郡市 Google Map