厭離穢土欣求浄土
今回の歴史散歩は、松平家・徳川将軍家の菩提寺として名高い大樹寺を巡った。家康公が19歳の時、桶狭間合戦により今川義元が倒れたのでこの大樹寺に逃れ、先祖の墓前で自害しようとしたところ、13代住職登誉上人から「厭離穢土欣求浄土」という言葉をいただいたと伝えられている。
1 大樹寺山門
ずっしりとした山門は、三代将軍徳川家光が建立したと伝えられていて、楼上に掲げてある「大樹寺」の勅額は、後奈良天皇宸筆と伝えられている。境内から山門を通してその真ん中に岡崎城が見える(ビスタライン)。
2 本堂
山門からまっすぐ歩いていくと本堂がある。本堂へは靴を脱いで上がることができ、中央に深い金色に輝く御本尊「木造 阿弥陀如来坐像」が安置されている。その両脇には、登誉上人から家康公がいただいた言葉「厭離穢土欣求浄土」がある。
3 大方丈 / 4 収蔵庫 / 5 宝仏殿(位牌堂)
拝観料
大人:400円、小・中学生:200円、幼児:無料
団体(15名以上)1人:350円
本堂の右奥に、大方丈・収蔵庫・宝仏殿(位牌堂)へと続く通路があり、ここから有料となる。大方丈に入って左奥の襖を開けると家康公お手植えと伝わる「しいの木」が見える。岡崎市の天然記念物に指定されているこの老木は、ここからしか見ることができない。
ここには、国重要文化材の「襖絵 将軍御成りの間」、松平八代・徳川歴代将軍位牌、家康公木造などがあり見どころ満載。徳川将軍の位牌は、等身大(亡くなった時の身長)で作られている。また、家康公木造はパンフレットなどでよく見かける坐像。
6 廟所
本堂の左側には霊園が広がっており、一番奥に廟所がある。松平四代親忠公が大樹寺創建の際、先祖三代の墓を移祭した。その後、二代将軍秀忠公が先祖松平八代の廟所修復再建した。
7 多宝塔
庭園奥の廟所の反対側、山門の左手に、一層は方形、二層は円形の格調高い多宝塔がある。これは大樹寺で最も古い建物で、足利末期にできた多宝塔の美しさはたとえようもない。
※この記事は2018年01月01日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。