景行天皇の頃の創建と伝えられている知立神社は、千年以上に渡って広く篤く崇敬を集めてきた東海道屈指の名社。江戸時代には東海道三社のひとつに数えられていた。ここはユネスコ文化遺産に登録されている「知立祭り」が開催される神社でもある。
1. 大鳥居
国道1号線から少し入るとずっしりとした立派な鳥居がある。自動車で来社の場合は、この鳥居の脇を通り抜けて境内に駐車することができる。鳥居をくぐってすぐ左手には手水舎がある。
2. 多宝塔
鳥居をくぐって右手に、国の重要文化財に指定されている多宝塔が天に向かって聳えている。和様を基調とした均整のとれた多宝塔であり、全国的にも遺構の乏しい神宮寺の建築を知る上で貴重なもので、相輪先端までの高さは14.5メートル、屋根は杮葺、四隅に宝珠を置く。永正6(1509)年に重原城主山岡伝兵衛によって再建された。
3. 神池
広い境内の中央にある神池は、江戸時代に当地が「池鯉鮒宿」と表記されていた元とも言われ、今でも多くの鯉が見られる。鯉が、眼病を患った長者の娘の身代わりになったという「片目の鯉」の伝説地でもある。花崗岩で組まれた太鼓橋の欄干には「享保17年十一月吉日敬白」と刻まれている。
4. 拝殿
境内中央の奥に、木々に包まれるように拝殿がある。皇室の祖神をお祀りするご縁から、国家安寧・家内安全の神社として多くの参拝者をお迎えしている。拝殿の奥には 幣殿、さらに奥に本殿があるが、木々に囲まれているため境内からは見ることができなかった。
5. 芭蕉句碑
手水舎の裏手にひっそりと芭蕉句碑が佇んでいる。句碑には「不断堂川 池鯉鮒の宿農 木綿市」と刻まれている。元禄5(1692)年秋9月、江戸深川で詠まれた松尾芭蕉の句である。
6. 茶室
芭蕉句碑から左奥に入っていくと木々に囲まれて茶室があった。茶室の裏手には知立公園花しょうぶ園が広がっていて、明治神宮より特別下賜された数十株の花菖蒲が6月上旬に美しく咲き誇る。
※この記事は2018年04月01日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。