140年の伝統を受け継ぐ、みりん造りを中心に、酒類、調味料、入浴剤、健康食品など、幅広く事業展開している相生ユニビオ株式会社。それは長年培ってきた「発酵技術」があってこそ。『発酵技術で、お客様と「共に生き生き」とした食と暮らしを創造していく』と企業理念も明確だ。
明治5年、碧南市で古久根勇蔵が、相生みりんの製造を開始したのが始まり。大正7年には同地で、親族の村松文司が、本みりん(初生桜)の製造を開始。昭和16年には酒精・焼酎の免許取得し、三河合同焼酎株式会社設立。(昭和20年、愛知酒精工業(株)に改称)昭和29年、古久根が、同31年、村松が清酒製造業を開始。昭和三十四年には両社合理化のため専業体制に統合、相生味淋株式会社及び相生酒造株式会社とした。
昭和41年、設備拡張のため、本社及び工場を西尾市下町に移転。伝統の技術を生かし、新たに発酵調味料、新味料、入浴剤などの製造・販売も始めた。平成元年には(株)相生発酵を設立、薬事部門を独立させた。
平成14年には村松浩一郎が代表取締役社長就任。相生グループ本部ISO9001取得、同十六年にはISO14001取得。平成15年に半田物流センターを設置した。
発酵技術を原点に
社名を相生ユニビオ株式会社としたのは平成十六年。みりん造りを中心とした相生味淋株式会社、焼酎製造の愛知酒精工業株式会社、清酒製造の相生酒造株式会社の三社が合併したのだ。
「相生」とは、「夫婦が一緒に元気で長生きしていく」という意味を持ち企業理念にも通じるもの。新社名にも同じ思いを込め「Union =共に」と「Bios=生きる」を語源として命名した。発酵技術を原点とした三社が一つになることにより、「総合的(Universal)な発酵技術(Biotechnology)」を誇りうる会社として、さらにトータルな提案をしていくという姿勢をも意味している。
自然・技術・時間が一体
時代は変わっても、大切にしていることは、伝統の技術と自然の力。本みりん造りには今も伝統的な三河旧式製法で、豊潤でふくよかな味わいを醸し出す。選りすぐったもち米に自家製の焼酎と米麹を仕込んだもろみを、低温で約2~3か月間じっくり糖化・熟成させる。次に昔ながらの手作業で搾り、ろ過し、さらに熟成させる。まさに自然と時間と技術の三位一体で生み出される。
古くから伝わる技と、こだわりを貫き、麹や酵母を生かした「発酵」への限りない挑戦であり、自然の恵みと愛情の産物でもある。
「発酵」の技術、工程は「生きもの」への操作でもある。「原料選びからお客様へお届けするまで、しっかり管理して、豊かな食生活や心身の健康に貢献する商品をお届けしていきたい」と村松社長は語っている。
売上高36億円(平成22年度)、従業員76名。
※この記事は2012年01月10日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。