生産者と4代目

 「旨い、安全、安心。そんな豆腐がつくりたい。日々努力、日々勉強」という思いで豆腐を作り続けてきた「おとうふ工房いしかわ」。始まりは明治年間、碧海郡高棚村(現安城市高棚町)に初代石川兼三郎が創業した。昭和8年、碧海郡依佐美村(現刈谷市小垣江町)に2代目石川銀一が移転。昭和48年、3台目石川勲が業務拡張に伴い小垣江町内(現おとうふ記念館)に移転した。
 そして平成3年、現在の代表である4代目石川伸が有限会社おとうふ工房いしかわを設立。その後、高浜市豊田町に高浜工場を新築し、工場を移転。「とうふや豆蔵」を名古屋大曽根にオープンしたのを皮切りに直営店事業を開始。現在は、西三河を中心に27の直営店がある。また、9台の移動販売車が高浜市を中心に移動販売している。


4代目石川伸氏

 豆腐は約1300年前に大陸から渡来したと伝えられており、日本人によって改良され日本の風土に育まれてきた。ところが、第2次世界大戦でにがりが軍需品になり、すまし粉の豆腐が生まれ、作りやすくて歩留りがよいということで、全国的に取って代わり、本来の豆腐は姿を消していった。
 家族経営の町の小さな豆腐屋の4代目として生まれた石川伸は、家業を継いで子どもが生まれた時「この子に食べさせたい豆腐を作ろう」という思いが強くなったという。にがり豆腐の美味しさと食文化を守りたい。本来の豆腐を復活させたい。4代目は、良質な大豆を仕入れるために農家に声を掛けた。そして日本の農家を応援しながら本来の豆腐づくりが始まった。
 「自分の周りにいる人すべてを幸せにしたい」そんな思いで豆腐づくりをしているといろんなものが見えてきたという。国内農業、環境問題、食文化、地域貢献。4代目はこれらをとても大切にしている。地元の小学校や市民講座で行う豆腐づくり教室のボランティア活動、毎月土曜に開く直営店舗での青空朝市、地域に解放した工場見学会、シルバー人材への作業委託など、老若男女皆が豆腐に関わって笑い合えるような空気を発信している。


究極のきぬ


大まめ蔵(外観)


おとうふ工房 いしかわ

所在地
高浜市豊田町1-204-21 Google Map
電話番号
0566-54-0330
ウェブサイト
http://www.otoufu.co.jp/