CGで復元された西尾城天守


 江戸時代に西尾藩六万石の城であった西尾城は、鎌倉時代初期に足利義氏が築城した西条城が始まりと伝えられている。現在は、その一部が再建・復元され、西尾市歴史公園となっている。歴史公園の整備が進められるなかで平成26年に天守台石垣が完成した。石垣の上に鎮座していた天守は、どのような姿形だったのだろうか。西尾城について残存する資料はとても少ないと言われている。


「西尾城デジタルアドベンチャー」トップ画像

 そんな西尾城天守を、拡張現実(AR)技術を使って復元するスマートフォン用アプリケーションがこの度完成した。4月2日に西尾市歴史公園にてアプリリリースイベントが開催され、その日から無料配信される。
 アプリ名は「西尾城デジタルアドベンチャー」。歴史公園でアプリを起動してスマホのカメラを天守台石垣に向けると、実際の風景とともにCG(コンピューターグラフィックス)で描かれた三層の西尾城天守が石垣の上に出現する。古文書や絵図、城郭などを参考にしてCG化された天守は、まさにその場所に存在しているようなリアル感がある。スマホをかざしながら位置を変えると、その動きに対して見え方も変わるため臨場感があり、江戸時代にタイムスリップしたような体験ができる。スマホ画面に復元された天守と一緒に記念撮影をすることもできる。さらに、天守内に潜入して内部構造を見ることもできる。
 スマホを石垣の上から歴史公園の中へ向けてみると、江戸時代の武家屋敷など当時の城下町が360度再現される。歴史公園を舞台にして散策しながら楽しめる謎解きゲーム「西尾城ドラゴン伝説」も搭載されている。現地で体験すると臨場感があるが、無料のアプリをダウンロードすれば、現地へ行かなくても天守や武家屋敷を見たり、天守内潜入が楽しめる。具体的にどのような体験ができるのかは特設ホームページ(http://nishiojou-ar.com/)に詳しく掲載されている。Facebookも開設されており最新情報などが確認できる。
 アプリリリース当日、西尾市歴史公園では「サクラ、ハナイチ」が開催されてとても賑わう。春の祭りを楽しみながら西尾城天守の復元体験をしてみてはどうだろうか。また、近隣では「西尾みどり川桜まつり」も開催されている。


江戸時代の武家屋敷など、当時の城下町を360度復元

西尾城天守内に潜入!

※画像は開発中のものです


取材協力
西尾市産業部商工観光課