西尾城下町では、侍、商人、百姓が混在し、生活していた。今も城下町を歩くと、その風情とロマンを感じとることができる。江戸時代から本町通りには、大店が軒を連ねていた。よく見ると、その建物にも風格がある。北へ入った肴町や天王町には、日用品を商う店が並んでいた。茶道具や陶器の店、表具店、畳店、赤まむしの漢方薬店などが今も健在だ。そんな老舗には、歴史を伝える貴重品や見ても楽しい商品など、遊び心たっぷりなギャラリーとしての面白さもある。歴史が宿る木造りの建物もじっくり見てみたい。まずは気軽に町を歩いてみよう。




本町へ来たら、創業文久元年のみそパーク「はと屋」を訪れたい。敷地内に入ると、今も当時の息づかいが感じられる。築100年の仕込み蔵や20年前まで使っていた精穀機、焙煎機の見学もできる。はと屋の歴史が分かる歴史資料館もある。蔵売店隣りの木造館内には可愛い人形も。


江戸時代、油屋八右衛門に始まる油八商店。昭和初期に建て替えたが、ショーウインドーの様子や油染みの残る床が当時を偲ばせる。本町通りを歩くと、そのガラス越しに帽子がずらりと並び、つい誘われて店内へ。個性豊かな帽子たちが迎えてくれる。ボウシ・ウエアーの店、NINIGIIとして8年前にオープンした。今は男女こだわらず、自分の意志で帽子を選ぶ。見るだけでも楽しくなる。


本町通りに建つkanehachiは、現在の店主、永井信行さんで9代目になる。当初は桑の葉の市場を営み、荒物なども扱った。明治28年に建て直した趣きのある店内には、海老センベイがずらり。イカの姿焼きもある気楽な食の店だ。(土日曜の午前11時から開店。金土日曜午後7時からは週末酒場になる)




本町通りの東、三間通りにある六万石ギャラリー。築100年の民家をギャラリーに開放。抹茶やコーヒーで、ゆっくりと。手づくりの指輪、小銭入れから、懐かしい駄菓子も置いている。11月6日からは清水ナオキさんの写真&カレンダー展開催。(吾妻町発展会が運営)


明治13年創業のスイーツのツタヤは、中央通り、幸町の信号東にある。奥は喫茶店になっており、地元の人たちの憩いの場に。この喫茶店が即ギャラリーとなり、絵画や写真展が随時開かれている。




幸町から北へ。中町にある三河屋は、今では貴重な存在となった薪・炭の専門店。店内には火鉢に各種茶道具も置かれ、ギャラリーの楽しさも十分。明治36年の創業。昭和初期に建てた家屋は、釘など使わずホゾを組んで建てた。今では二度と作れない貴重な日本建築だ。


三河屋のすじ向いにある風庵はユニークな店。自家焙煎・無農薬のコーヒーや中国茶などを出してくれる。そして店内は古美術品がずらり。鳴海(名古屋)本陣の蔵出しで、陶器や硯など実際に本陣で使っていた名品が観賞できる。


所在地
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