毎月第3日曜日の午前中に、知立市の弘法通り・遍照院駐車場と山門までの参道で開催されている「弘法笑店街 道の市」(旧名称:知立軽トラ&手作り市)の賑わいが話題になっている。

 始まりは10年前にさかのぼる。バザール知立理事長の久世氏は「知立で生まれ育った人間として地域に貢献したい、賑わいをもう一度」という思いから同市の自主研究組織である魅力発見部会に参加した。4年間、毎年知立市長へ提言してきたが「実際に動いてみないとダメだ」と感じていた久世氏は、7年前にボランティア団体「バザール知立」を立ち上げた。
 知立のメイン観光といえば弘法の遍照院さん。旧暦の21日、弘法の命日に人が集まってくる。この賑わいの日に毎月1回手作り市を始め、1年半程で出店数は30~40に増えていった。ちょうどその頃、全国で軽トラの荷台を売り場に利用した「軽トラ市」が話題になっており、久世氏はそこに目をつけた。そして2011年10月11日、遍照院の境内と駐車場で第1回軽トラ手作り市が開催された。出店は、野菜・果物・鮮魚・手作り雑貨・陶器類・たこ焼き・焼きそばなど。これまでやってきた弘法さんの命日とは別の日に開催したにも関わらず大盛況で、2500人の人出だった。補助金がなかったため、新聞などのメディア各所に連絡をして取り上げていただいたおかげだという。
 そして2013年2月、いつまでもボランティア組織では、ということでNPO法人を取得し「NPO法人バザール知立」を立ち上げる。1ブース2000円、約40の出店で毎回8万円の運営費で開催していたが、努力の甲斐あって経済産業省の賑わい補助金(350万円)がおり、3周年イベントを盛大に開催。7000人の人出で大成功だったという。賑わいの実験を量として成功事例を作り、知立全体の観光を盛り上げていった。
 そして今、新しいプロジェクトチームを作ってそちらへシフトしていこうという動きがあるなかで「知立観光PRプロジェクト推進会」を立ち上げ、今年2月に、これから未来へ向かって企画情報を発信する新たな組織「GOいっしょ会」を設立。知立駅前も整備されてきたため、そこでオシャレなマルシェを開催していきたいという。「カキツバタまつりなどの市のイベント、知立観光をさらに盛り上げたい、来訪された人たちにもっと楽しんでもらいたい、お金儲けというよりも面白い事をやっているな、という賑わいを作っていきたい」と久世氏は熱く語る。知立は今、少しずつ変わろうとしている。



取材協力
特定非営利活動法人バザール知立理事長 久世泰男氏
弘法笑店街 道の市
旧名称:知立軽トラ&手作り市
開催日
毎月第3日曜日9:00~12:30
場 所
弘法通り、遍照院駐車場と山門までの参道
運営・開催情報/事務局
NPO法人バザール知立 http://bazar-chiryu.com