刈谷駅から立体公共歩廊でつながっている。


ユニバーサルデザインに取り組む


愛知県人にやさしい街づくり特別賞受賞


 刈谷駅は1日約5.5万人の乗降客を数える西三河最大の拠点駅であり、駅周辺には市役所をはじめ、小中学校、図書館、美術館、児童館といった文化・教育・福祉の主要施設が揃っている。駅南口は、刈谷市の玄関口として再開発事業が進められ、この4月には、刈谷市総合文化センターがオープンした。
 刈谷市総合文化センターは、設計段階から市民、障害当事者団体などの多数の意見を聞き、その意見を「ユニバーサルデザイン検討会」を通して建物設計に反映し、実現したところに特徴がある。例えば、大ホールは、客席から舞台に段差なく上がることができるとともに、全ての客席で磁気ループ・FM電波による観賞補助が利用できる。エレベーターホールには、手が不自由な人や荷物を持っている人も利用しやすいように、足で操作できるフットスイッチが設置されている。また、トイレやエレベーターの入口付近には、その位置を示すサインとして、音による案内が行われており、目が不自由な人の利便性を向上させている。
 このようなユニバーサルデザインへの取り組みが高く評価され、愛知県の平成21年度人にやさしい街づくり特別賞を受賞した。


車椅子席や親子鑑賞席、一方通行のトイレも


 その他、人にやさしいアイデアと機能を備えた主な設備を紹介すると─。
▷大ホール(1541席)には8席、小ホール(282席)には3席の車椅子席を設けた。▷両ホールともに、独立した親子鑑賞席を設置。ベビーベッドの用意も。▷子供連れ、手動車椅子、介助者同伴の人の利用を想定し、各トイレに1か所以上、通常よりも広めの「多目的ブース」を設置。▷女子トイレの一部に子供用小便器を設置。▷子育て中の人、補助犬を利用する人などからの「並んで歩いても他の利用者とぶつからないように…」との要望に応え、混雑が予想される大ホールホワイエの女子トイレは、一方通行を採用するとともに、待ち合わせ時に混乱しないよう、出口と入口を近接させている。▷研修室、講座室及びパソコン研修室にも磁気ループを設置。▽おむつ交換や授乳に利用できるベビールームを設置。▷託児室に近接するトイレには、男女ともに子供用トイレブースを設置。▷駐車場には、間口3.5mの幅広駐車スペース32台分確保。車椅子専用を一番利用しやすい場所に配置した。▷刈谷駅からの安全なアクセスも確保するため、立体公共歩廊(屋根付)を整備。
 その他にも、色彩や照明を巧みに活用し、刈谷市総合文化センターを利用する人にやさしい工夫が細やかに施されている。


写真中央のエレベーターにはフットスイッチが付いている。


大ホールの親子鑑賞席。

大ホールには8席の車椅子席を設けた。(小ホールは3席)




大ホールは客席から舞台に段差なく上ることができる。

小ホールは客席をすべて収納すると平面になり、多目的に利用できる。

大ホールホワイエの女子トイレは一方通行に。


所在地
刈谷市総合文化センター Google Map
住所
刈谷市若松町2-104
電話番号
0566-21-7430
オフィシャルサイト
http://www.kariya.hall-info.jp/