「的矢かき」との出合いから。
1年中、牡蠣料理を出してくれるお店が幸田町にある。民家を改装した古風な店内に、1枚板を並べたテーブルと切り株のイス。行燈風の照明。落ち着いた座敷。やさしいスタッフが笑顔で迎えてくれるから、名古屋や豊橋からも牡蠣好きが訪れる。
4月から9月までの夏場は北海道厚岸産の牡蠣(1個350円)を空輸で。10月からの生食の牡蠣は、三重ブランド認定一号となった佐藤養殖場の「的矢かき」(2個600円)を直送してもらう。24時間の浄化法で衛生的で安心と評判の牡蠣だ。知人の紹介がきっかけで、この牡蠣との出合いが転機になった。
店主・市川美佐夫さんは父の営む岡崎の魚屋の二男。父は由緒ある龍城(たつき)神社の御用商人でもあった。市川さんは幸田町で独立して仕出し・弁当を商っていたが、もっと手応えを感じたいと、尾張一宮の瀬川京祐氏の師事を仰ぎ、牡蠣を専門に扱う料理店をオープンさせて15年になる。
生食には「的矢かき」を、加熱用には浦村(3個600円)、的矢漁協(2個600円)の牡蠣を直接仕入れる。
写真は「焼きカキ御膳」(2100円)。焼きカキ、カキフライ、カキしょうが煮、滋味な季節の煮物、魚のそぼろ煮、漬物、あわせ味噌の味噌汁。牡蠣を堪能するばかりではなく、手間ひまかけた丁寧な料理に何度も足を運ぶリピーターが多い。
お得なランチ(892円、1050円、1575円)では、魚屋直送ならではのいか焼きや刺身盛合せもお客を楽しませる。44席。
※この記事は2010年10月10日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。