東幡豆のそば爺が作る 本格派更科系江戸蕎麦
愛知県西尾市東幡豆町の国道247号沿いにある「そば爺よしみ」。四角いフォルムの店構えと看板が目印だ。暖簾をくぐると、いかにもお客さんと店の人が談笑している温かな雰囲気が目に浮かぶようなオープンキッチンとそれを囲むカウンターが目に入る。ほんわかとした雰囲気で迎えてくれたのは蕎麦を作り続けて55年という店主の吉見修さんだ。
18の頃に上京し、東京で蕎麦を作り続けてきた吉見さんが故郷に戻り「そば爺よしみ」をオープンさせたのは5年前のことである。東幡豆で食べられる本格的な更科系江戸蕎麦は多くの食通を唸らせてきた。
「味比べ!」と運ばれて来たのは名物「二段重ね 鴨せいろ」。艶々の細い蕎麦が盛られており、浸けつゆとしては「鴨つゆ」と「蕎麦つゆ」の2つの味が楽しめる。
「3分以内に食べて」とお客さんに勧めるのは蕎麦の風味が変わってしまうからだ。まずは濃いめだがほんのり甘いつゆに浸けて啜ってみると、なんとも喉越しが良く口の中で優しい蕎麦の風味が広がる。続いて鴨だしに浸けて啜ってみると、こちらは鴨だしの深い味わいと蕎麦が絶妙に絡み合う。最後は蕎麦湯の飲み比べ、これまた絶品。
その他、期間限定ではあるが「磯おろしそば」も人気のメニューだ。海苔・天かす・きゅうり・大根おろしなどが入っており、食欲のない時にでも食べられる。
「もりそば」はなんと400円、「子どもそばもり」は小学校6年生まで100円というから驚きだ。100円を持って「そば爺、お蕎麦!」と気軽に子どもたちが食べに来られるよう願いを込めて「そば爺よしみ」という店名が付けられた。
「いつか大人になったとき、そば爺の店を思い出してくれたら嬉しいな」と話す店主の目は優しかった。
※この記事は2020年10月01日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。