風味豊かな常陸秋そば
春は桜、初夏は抹茶、夏はレモン、秋は更科、冬は柚子の、変わりそばを「二色もり」で楽しませてくれる。
店主早川照美さん(59歳)は元建設会社の営業マン。趣味で西尾市内のそば教室に通っていたが、本腰を入れるため、早期に退職。横浜で、そばの打ち方から調理、経営のノウハウを1か月住み込んで学んだ。
時を同じくして、妻由美さんの実家が空き家に。先人が店舗を予測して造ったと思うほどに、縁側に囲まれた8畳2間の座敷は蕎麦を賞味するに相応しい。帯や趣のある古箪笥を由美さんがセンス良く設え店内を飾る。オープンして丸3年に。
そば粉は常陸秋そばが中心。「茨城の常陸秋そばはのど越しがいい。風味豊かでもっちり、独特の甘みもある」と、店主。新そばは11月だが、常陸秋そばのほか群馬産など国内産のそば粉を使う。
人気は「天もり」(1400円)。弾力のあるそばが舌にからみ、のど越しが小気味いい。サクリと揚った海老や季節の野菜がそばの味を一層引き立てる。「二色もり」(1000円)は抹茶の変わりそばが色鮮やかで食欲をそそる。夏はレモンの皮をすり下ろし、更科粉に練り込んだ涼やかなそばに。冷たいそばには「付けとろ」や「鴨汁」も。9月までの期間限定だが、細切り大根、大葉、みょうが、ごまで味わう「すずしろ」(1200円)も。そば好きには見逃せない。
※この記事は2013年07月10日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。