そば本来の風味を味わう

越前おろしそば(倍盛り)と天ぷら。越前の窯元で焼いた器で味わう。醤油、酒も福井産。


「越前おろしそば」に加え、生粉打ちも評判。

清潔な店内


 この9月で開店2周年になる松庵の看板メニューは「越前おろしそば」。
 4百年ほどの昔、徳川家康は次男、結城秀康に越前の国(現在の福井県嶺北地方)を与えた。その重臣の本多富正が京から連れてきたのが、そば師の金子権左エ門。当時の調味料は塩、味噌、醤油くらい。汁は薄めた醤油では物足りない。城下の医者と相談し、栄養価も増す大根おろしの絞り汁で醤油をのばして、そばの汁としたと伝わる。
 昭和天皇が昭和22年、福井に巡幸された折、おろしそばをお替りされ、「あの越前のそばはおいしかった」と侍従に話したことから「越前そば」の命名に。
 福井のそば粉は、在来種の小粒な玄そばを地元産の柔かい多孔質の小和清水石臼(こわしょうずいしうす)で挽く。熱を持ちにくいため、そば本来の濃い風味が保てる。そのそば粉を福井の製粉所から仕入れている。
 そばの胚芽は、実の中心にあり、粉の中にたっぷり含まれる。美容にも若返りにも最適。毎日でも食したい健康食だ。店主の村松登志男さん(50歳)はそば打ちをしながら毎日そばを食べ、気が付いたら1年で体重が10㎏減っていた。


「もりそばは、その都度擂(す)る本わさびをそばにまぶし、つゆは半分ほど付けて召し上がって」と、店主と奥さまの友子さん。

 趣味で始めたそば打ちは15年。村松さんは福井で行われるそば打ちの全国大会には毎年、名古屋・東海の代表に選ばれる腕前。本業にすべく1年間、先輩の手打ちそば「竹うち」(岡崎)で修業、現地に店をオープンさせた。
 小麦粉2割、そば粉8割の二八そば、「越前おろしそば」(700円、倍盛1200円)、「もりそば」(同)、「鴨汁そば」(1000円、2枚1600円)のほか、そば粉十割の「生粉(きこ)打ち」(800円、2枚1400円)も食べてみたい。


手打ち蕎麦 松庵

所在地
西尾市丁田町五助39-3 Google Map
電話番号
0563-54-6170
定休日
火曜定休
営業時間
11:00〜14:00
17:00〜20:00(os19:30)
みかわこまち編集部
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