地元で揚ったばかりの魚を。
店内に一歩入ると、「いらっしゃい」と威勢のいい掛け声がカウンター越しにかかる。店主の小田朝男さんだ。お客の顔を見ると同時に手が動き出す。器が並べられ、すでにお客の注文を見抜いているようだ。
「待たせない。特に昼のお客さんは時間がないのだから」と思いやる。地元の西浦や形原漁港から朝水揚げされたばかりの、とびっきりの魚介類をネタに、すばやい手さばきで、大ぶりの握りが仕上がっていく。
写真は、冬場の「上寿司」。甘エビ、アンキモ、カキ、シラウオ、カンパチ、アナゴなど、冬を代表する味覚がずらりと並ぶ。舌の上でトロけるアンキモは飲み込むのが惜しいくらいだ。どれもが新鮮でみずみずしい。これで1,700円なのだからお客が絶えないわけだ。
店主の兄は西浦で魚屋と仕出し屋を営む。修業も兄のもとで。独立して25年になるが、仕入れは一切、その兄に任せる。弟のため、水揚げされた新鮮な魚介類を毎朝運んでくれる。
噂を聞きつけ、お客は遠く名古屋、岡崎、豊田などから、生き生きの旨い寿司を味わいにやってくる。
春はホッキ貝、ニギス、シラウオ、甘エビ、アナゴなどが旬で美味だ。
「特上寿司」2,450円、「生寿司」2,200円、「並寿司」1,100円、「アナキュー巻き」同、のほか、お得な「ジャンボちらし」800円も。「うなぎ丼」2,800円などもある。2階で宴会も。全56席。
※この記事は2006年04月10日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。