独特の甘みが広がるフォアグラとんかつ膳
「フランス料理の三大珍味として、フォアグラ・トリュフ・キャビアがあります。フレンチをやっている時は当たり前のように使っていましたが、和食やとんかつのメニューでは使われていなかった、ならば自分が」と語るオーナー料理長は、もともとはフレンチのシェフだった。技術を身につけるためにフランス料理店で10年程修行の後、父が経営する和食&とんかつを提供する「こざくら」に入り、平成9年、店舗リニューアルを機に店を継いだ。「和食やとんかつの基本をベースとしてフレンチをコラボレーションするという技術は当時、あまりなかった。新メニューを開発するのは楽しいし面白い」と笑いながら語る。
今回紹介するフォアグラとんかつ膳(1980円税別)は3年ほど前にデビューした。はじめた頃は馴染みがなかったが、次第に人気が高まり、今ではヒットメニューになっているという。ヒレ肉に包んだフォアグラがジューシーに仕上がるように、揚げる時間と温度には特にこだわっているという。八丁味噌のソースにからめて口に入れるとフォアグラ独特の甘みがジュワーっと広がる。なるほど、この味は他にない。付け合わせも一般的なものではなく、茹でた地元野菜に、イタリア料理でよく使用するバーニャカウダーソースをかけている。このソースはにんにくを裏ごししてアンチョビをミックスしたもの。「今の世の中は自動化でなんでもできる時代だが、人が手間暇かけて作るもの、人の温かみ、そういうものを料理に反映させることを心掛けている」と、おもてなしの心を大切にしている。
こざくらの歴史は古く、創業は大正初期。当初は魚と酒、仕出しをやっていた。とんかつ屋をはじめたのは二代目からで、現在は四代目となる。法要料理や仕出しも提供している。カウンター席・個室・大広間など、席数は1階と2階を合わせて90席。宴会は最大60名まで可能。バリアフリー対応で、高齢の方や身体の不自由な方のために階段にはいす式階段昇降機が設置されている。
※この記事は2018年04月01日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。