自然の旨さに一捻りの技 深みを引き出す和の感動
和食の真髄は、素材のそのものの味わいを生かし、その地域ならではの季節の恵みを美味しく表現することにある。かん田は、そんな和食の魅力を心ゆくまで、かつリーズナブルに愉しめるお店だ。
ご主人は八事の八勝館で修業後、知多で料理店を営む実家に戻り、結婚を機にこの地へ。より深く素材を知るため地元一色の鮮魚店で働き、平成22年、満を持して開業した。
地元でとれた自然の素材を使うのがコンセプト。一色の市場で上がる三河湾の魚貝や地元野菜など、地産地消が基本だ。魚は市場で自ら神経締めもする。野菜は自家栽培プラス直接知り合いの農家から入手。大きな窓からは、店の横にある畑を望むことができる。また味噌やたまりなど、調味料も地のものにこだわっている。
「魚介は産地と鮮度が命。いいものは少し手を加えるだけでいいんです」とご主人は言う。それゆえに素材の見極めが重要だ。肝心なのは、何をどのようにどの程度「手を加える」かである。粋でさりげない技と心遣いが、素材の味を何倍にも引き立てるのだ。
あるとき知人に連れられて、魚が苦手なお客様が来店した。特にしめ鯖は全くダメとのこと。何も言わずにすっと出したしめ鯖の旨さに仰天したそのお客様は、以来魚を見る目が変わったそうだ。お客様からそんなふうに言われた時がいちばん嬉しい。料理人冥利に尽きる瞬間である。
旬の味をリーズナブルに楽しめるのもこの店の魅力の一つ。季節の美味しさが華やかに散りばめられたおまかせランチは女性に大人気だ。夜も7品が並ぶかん田御膳など、お得なメニューがいっぱいだ。カウンターで旨いお酒とお任せ料理を楽しむのもいいだろう。
※この記事は2020年01月01日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。