パレットにはない色彩を探して
西尾市東幡豆町にある愛知こどもの国は色彩豊かな秋がおすすめ。秋の音や光、そして風を感じながらぶらり散歩が楽しめる絶好のスポットだ。行く先々には古墳や子どもが遊べるアスレチックもある。色とりどりの樹々たちも美しい。
1.こどもの国駅からお散歩スタート
こどもの国駅ができたのは昭和51年(1976)のこと。幡豆町御堂前にある、名古屋鉄道蒲郡線の駅だ。昭和49年(1974)10月29日に開園した愛知こどもの国の最寄り駅として、当時の洲崎駅を東へ400mほど移転させて開業された駅である。電車から見えるのは青い海と色づく樹々たち、そして青い空という絶景だ。駅を降りて15分ほどぶらりと歩くと愛知こどもの国が見えてくる。
2.あさひが丘をぐるり、秋のおすすめ散策コースを巡る
愛知こどもの国は豊かな緑と日ざしのもとで次代を担う児童の健全な育成を願い、愛知県政100周年を記念して作られた。まだ幡豆郡幡豆町であった昭和49年(1974)に開園した100万平方メートルの広大な児童総合遊園施設である。管理棟のある中央広場をはさみ、東側が「あさひが丘」、西側は「ゆうひが丘」だ。今回はあさひが丘周辺の古墳巡りもできる散策コースを職員の藤島さんと巡る。
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3.大きな岩(カエル岩)と矢穴石を見ながら洲崎山4号古墳へ
歩いていると大きな岩に出会う。職員の間ではひそかに「カエル岩」と呼ばれているらしい。もう少し歩くと見えてくるのは矢穴石だ。石材を割るためのくさびを打ち込む穴が開けられた石で、慶長15年(1610)の名古屋城築城時に石垣用に切り出したものだ。さらに進むと見えてくるのは洲崎山4号古墳。斜面に石室が開口しており、奥の壁に向かって幅が急に狭くなっている。これは終末期横穴式の特色だ。
4.桑の木を眺めながら洲崎山3号古墳へ行こう
昔はよく食べていたと藤島さんが指さしたのは桑の木。4月~6月に美味しい実を付ける。夏の日差しをいっぱいに浴びて青々とした桑を見ることができる。少し行くと見えてくるのは洲崎山3号古墳。あさひが丘の最高所の頂上に位置するため急な斜面になっている。
5.アメリカフウ・モミジバフウを見ながら洲崎山2号古墳へ
洲崎山2号古墳を目指して進んでいると、大きな紅葉のような葉にイガグリにも見える実の生っている木が目に留まる。フウの木だ。秋が深まると葉は赤や黄色に色づく。北米原産で日本には大正時代に渡来した。実はクリスマスのリースの飾りつけとして使用するそうだ。しばらく歩いていくと、アスレチックがあり芝生広場が見えてくる。洲崎山2号古墳はその中にあり、入ることが可能。埋葬後、石室の入口は石を積んで締め切られたということが研究の結果わかっている。
6.樹々を眺めながら赤い橋を渡る
暫く歩くとメタセコイアの爽やかな香りが鼻を通り抜けた。秋が深まるとレンガ色に染まるメタセコイアが周りを秋色に染める。さらに進むと竹林が見えてくる。こちらは紅葉とのコントラストが美しい。さらに進んでいくと見えるのは真っ赤な橋。ゆっくりと色づく景色を眺めながら進めば、初めのスタート地点に戻ってくる。秋の愛知こどもの国を歩けば、パレットにはない鮮やかな色たちが歩く人を癒してくれるだろう。
※この記事は2020年10月01日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。