旬な魚介と野菜が結ぶご縁 25年目に繋がる店主の想い
東岡崎駅から約10分歩くと『さかな八百弥』の看板が見えてくる。ここは旬の魚介類と旬の野菜、そして地酒が楽しめるお店だ。名前の由来は八百屋の次男坊であったから。店内に入ると「いらっしゃいませ!」と活気の良い声が響く。カウンター席とテーブル席があり2階まで多くの客で賑わっていた。ふとメニューに目をやると、何とも達筆な字で魚介や野菜の産地が書かれている。はじめにお通しとして出てくるのは七輪とイカ。三河産の『ヤリイカ』を炭で炙って食べるのが八百弥流お通しだ。七輪で注文した野菜を炙るのもいい。
刺身盛りは今が旬な魚介たちがピカピカと輝いている。カサゴの煮物も絶品だ。三河湾で獲れた『クロムツ』は炭火で焼かれており、皮目は香ばしく、ふんわりと旨味が広がる。そして、最後に出てきた『ねぎま』には、25年間の店主の想いが詰まっていた。
実は店主が本誌に登場するのは初めてではない。1996年秋号にて西尾市の活魚・会席料理『寿々家』で、まだ見習い中だった店主が取材を受けている。今はもう閉店してしまった『寿々家』の味を引き継いで、『寿々家のねぎま』が八百弥で人気メニューになっている。人との繋がりを何よりも大切にしている店主。ちなみに25年前にお付き合いされていた女性が、今は奥さんとなり接客を行っている。何とも不思議な出会いに心がホカホカとしてくる、そんな『さかな八百弥』であった。
※この記事は2021年04月01日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。