伝統の手法で忘れがたい甘味。
平たくなった団子だから口に含みやすい。ふわっとなめらか、タレも香ばしいみたらし団子。一気に3本は食べたい。行列ができるというこの店のうわさは、なるほどと思う。
みたらし団子といえば、子供からお年寄りまで、誰もが好きな定番のひとつ。ここの団子がないと一日が始まらんと、言いたげなお客が、ひっきりなしに訪れる。その人気の秘密は、初代から続く仕入れと手づくりの伝統にあった。
百歳で大往生をとげた初代、奈倉俊秋さんが26歳で一銭餅(大福餅)を作ったのが始まり。研究を重ねながら独自の手法を生み出した。みたらし団子は火が通りやすいように、一粒ずつ丁寧につぶす。「平たい団子は和泉屋さん」と広く知れわたっている。
初代を支えながら二代目の秀さんは最上級の米粉と伝統の手法を守り、「みたらし団子」(1本75円)のほか、蒸しカステラの「レーズン」(105円)、「柏餅」(140円)、「さくら餅」(130円)や「おはぎ」(110円)「赤飯」(110円)なども作り続けている。
三代目の啓介さんが考案した「みそまんじゅう」(6個入、480円)は、八丁みそと黒蜜とこしあんが、やさしく手をつないだ忘れがたい甘味だ。
たてた抹茶をかける「かき氷」も5月末を待たずして、お客から催促される。関東煮も年中お腹を満たしてくれるし、サービスするおかみさんの気さくな人柄もうれしい。
※この記事は2007年04月10日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。