魚たちを自在にさばく
初代から魚屋を営んできた。3代目の母が昭和42年から、うなぎ屋も始めた。この地域で、うなぎといえば、「やま六」と言われるほど名代の店に。今の店主・平野雅也さんは4代目になる。平野さんは高卒後、東京・帝国ホテルの京料理「伊勢長」に修業に入った。店内では毎日のように、要人やスターたちを目にしたという。大阪の老舗料理店でも学んだ。
現在の店構えに改装したのが昭和59年。結婚し、夫婦で浜松に料理の勉強に通ったことも。当初のメニューは、うなぎと釜めしだったが、工夫を重ねていくうちにメニューがどんどん膨らんだ。中でも醤油味であっさりタイプの「うなぎ釜めし御膳」(2400円)が人気を集めている。
鮮魚の種類はその日によって変わるが、仕入れは西浦漁港が中心。県内の約9割が蒲郡市で水揚げされる深海魚メヒカリは、蒲郡メヒカリとして、年中味わえる(写真)。「雑魚御膳」(1700円)には、焼き魚または煮魚、刺身、小鉢、酢の物、ご飯、汁物、漬物、デザートまで付く。ほかに「海鮮丼」(同)や「ジャンボ海老フライ定食」(1650円)、単品では「海鮮海老ギョウザ」(550円)、「タコ唐揚げ」(600円)なども。珍しいのは、うなさし(うなぎの刺身)。皮をひいて焼きしも(霜降り)、氷水に取り薄く削ぐ。ポン酢、柚子コショウ、酢味噌で楽しむ。
アサリづくし、タコづくし、マツタケづくし、カキづくし(いずれも2300円)も、おすすめ。平野さんが洗練された技で、魚たちを自在にさばいてくれる。70席。
※この記事は2012年04月10日時点の情報を元にしています。現在とは内容が異なる場合がございます。